俺には勉強しかない

140字のその先

スイートタスク

「自発的にやりたいと思える、有意義だが優先度は低いタスク」を、個人的に『スイートタスク(sweet tasks)』と呼んでいる*1

例えば、ファイルやフォルダの整理整頓や部屋の掃除は、私にとってスイートタスクだ。
楽しいからどれだけやっても疲れないし、それが自分のためであれ他人のためであれ、率先してやりたいと思える。

仕事の話をすると、プログラミングは私にとってスイートタスクに該当する。
自分が実現したい処理を実装できた時の喜びを想像すれば、何時間でもコーディングが出来た。それが楽しくて甘かったからだ。

それと、一部の人にとって入浴は大変な重労働なそうだが、私にとって浴槽に浸かる時間は一番大切なものの一つだ。
「他の人は避けたがるが、自分はやりたいと感じる」という意味で、入浴は私にとってのスイートタスクと言える。


これらのスイートタスクが、仕事や人生において比較的優先度が高い状態の時は、何ら問題なく物事が進む。
問題は、自分にとって決してスイートではないタスクの優先度と緊急度が高くなった時だ。


私の場合、そういった状況下では次の3つのうちのいずれかの行動をとる(または、とってしまう)。

  1. 諦めて、やりたくないけど優先度が高いタスクをこなす
  2. やりたくないけど優先度が高いタスクから逃げて、スイートタスクに手をつける
  3. 全てのタスクを投げ出して、ミイラになる


言うまでもなく①がベストな選択だ。
仕事においても人生においても、絶対にやりたくないタスクが一番やらないといけないタスクであることが多い。

②は、いわゆる期末試験前に部屋の掃除を始めてしまう現象だ。
確かにそれが逃避行動であることは間違いないが、同時に誰かが注意や叱咤をしてくれて立て直せる可能性もある。
(納期が近いのにせかせかとファイル整理に勤しんでる部下がいたら誰でも叱るだろう)

問題は③で、この状態になると外部とのコミュニケーションも遮断し始め、生産性がマイナスに振り切る。
外部の人はコミュニケーションをとったり叱ったりする前に、まず相手の「ケア」から始めないといけなくなる。
そして、時間が経つ程、自ら③から①への移行は難しくなる。


私が言いたいのは、③でいるよりは②のほうがはるかにマシということだ。
なんにも手がつけられなくなって塞ぎ込むよりは、たとえそれが緊急でも重要でもなくても、
自分がこなしやすいタスクに手をつけたほうがいいと私は思っている。

そういったスイートタスクを何個か終わらせれば、自信と自己コントロールを少しだけ取り戻して、
やらなければいけないことに取り組めるチャンスも生まれる。

喩えるなら、餓死寸前でチョコレートバーを齧るような感じだろうか。
チョコレートバーはどちらかというと健康に良くない食べ物だが、餓死一歩の状態で食べれば命を救ってくれる。

*1:学術的な正式名称があれば教えて欲しい(絶対にあると思う)。