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140字のその先

「サルコペニア」と「フレイル」 老人の2つの健康問題について(読書メモ:白央篤司『自炊力 料理以前の食生活改善スキル (光文社新書)』)

本格的に自炊を習慣化してみたくて、『自炊力 料理以前の食生活改善スキル (光文社新書)』を読んでいる。

内容はとても面白く実用的なのだが、話の本筋と直接関係のないところで
サルコペニア」と「フレイル」という今まで聞いたことのない単語が2つ出てきたので、調べてみた。

サルコペニア」と「フレイル」とは?

高齢者の健康問題に関連する単語。

サルコペニアは筋力量が大きく減ってしまうこと、
フレイルは筋力が落ちて日常生活に支障が出る程運動機能が低下し、
それに伴って気力も落ちてしまう現象のこと。

サルコペニア

下のページを見ると、握力と歩くスピードを基準に診断されるようだ。
関連ワードとして「ロモコ」という歩行機能に支障をきたした状態を示す単語もある。
www.tyojyu.or.jp

フレイル

サルコペニアが身体機能の異常を示す単語の一方、フレイルが示す概念はもう少し広い。
健康状態と要介護状態の中間にある、精神的、身体的、社会的に虚弱な状態をフレイルと呼ぶ。
activesenior-f-and-n.com

高齢者の健康問題はいかにして起こるか

書籍内で紹介されていた、高齢者の健康問題が起こるプロセスは次の通りである。

食欲と運動量が減って足腰が弱まる

歩かなくなり筋力量が大きく減少する(サルコペニア)

筋力低下によって運動機能が低下し、その結果気力が落ちる(フレイル)

上記の通り、サルコペニアとフレイルは独立した概念だが、密接に関連している。

筋力が衰えて歩くのが困難になると、精神的に塞ぎ込みがちになる。
そして、精神的に塞ぎ込みがちになると、外出しないので社会的に孤立してしまう。
そして社会的に孤立すると歩かなくなるので、より筋力が衰え…
という負のサイクルが形成されてしまう。

私がこれを読んで思ったのが、「これって高齢者じゃなくても起こるんじゃない?」という事だ。
20代〜60代でも、仕事のストレスなどで食事量と運動量が減って、
休日はぐったりして何もできないって状態は普通に発生してると思う。

対象が高齢者ではなく要介護でもないというだけで、
この状態は広義のサルコペニアとフレイルと呼べるのではないだろうか?

予防法:しっかり食べよう!

無気力はまず食欲の低下、食事量の減少から始まるので、
日頃から毎食、ある程度の量のご飯を食べるのが重要なようだ。

本書でも書かれていたが、栄養バランスの取れた食事も大事だが、
それと同じくらい「食べたいものを食べたいときに食べる」ことも大切だ。

多少栄養が偏っていたとしても、自分が好きな食べ物を美味しく食べることで気力を養える。

「運動量=歩行量」と捉えてしまって良いのでは

食事と同じく大切なのが運動だが、自分は個人的に、「運動量」という言葉は良くないと思っている。
運動というとどうしてもスポーツやフィットネスを連想してしまうし、
運動が具体的に示す動きや強度が不明瞭だからだ。

なので、私は「運動量=歩行量」と捉えてしまい、
毎日どのくらいの時間や歩数を歩いたかを把握した方が、健康管理しやすいのではないかと考えている。

私自身は、毎日30分は必ず外を歩くようにしている。
フィットネス勢から見たら鼻で笑われる運動量かもしれないが、私にとって重要なのは
50年後も毎日30分以上歩き続けていることだ。バカでかいバーベルを持ち上げることではなく。

おわりに

面白い本なので、引き続き読んで実践できるところから実践していきたい。
まずはカップスープと冷凍のほうれん草を買って、
ほうれん草をスープの中に入れてお湯をそそいでみたいと思う。


自炊力~料理(レシピ)以前の食生活改善スキル~ (光文社新書)