俺には勉強しかない

140字のその先

プログラミングスクール卒業後はどんな企業に就職するのか?

前回のエントリーの続き。

 

この記事では、無料のプログラミングスクールへの入校を考えている方に向けて、プログラミングスクールの斡旋先企業について書いていきたいと思います。

しつこいようですが、あくまで僕が通っていたスクールでのお話なので、全てのプログラミングスクールに当てはまる訳ではないので、その辺ご了承下さい。

 

 

Q、プログラミングスクール卒業生の年収は?

初年度の年収は、大体300万くらいです。前の会社の先輩

曰く、23歳で入社したならば、30歳での年収は600万程度だそうです。勿論会社や個人の実績にもよりますが。

 

Q、業種は?

ほぼ100% SIerです。いわゆるSESというサービス形態がほとんどです。

 

Q、会社の規模は?

従業員数20~100人程度の中小企業です。 

 

Q、残業代は出る?

申請すれば全額出ます。前の会社の人事が言っていましたが、業績が伸びていて、労務管理コンプライアンスがしっかりしている会社でないとプログラミングスクールの斡旋先企業として登録出来ないそうです。

 

ただ、あくまで「申請すれば」の話で、申請期限までに(前の会社では17時まででした)、「残業理由」「作業内容」「何時まで残業するか」を明確にして残業申請しないと残業代は出ません。これは恐らくどの会社でもそうだと思います。

うっかり出し忘れていたり、正当な残業理由でないと判断された場合は、残業申請が通りません。その場合、残業代は出ません。長く働けば自動的に出るものではないので、ご注意を。

 

Q、研修はあるの?

大体の企業でOracleデータベースの研修が5日間程あります。プログラミング研修、マナー研修や仕事の進め方についての研修はやらない企業がほとんどです。

 

Q、有給はとれる?

 自由には取れません。理由を説明します。

 

納期がある

プロジェクトには納期があり、少しでもスケジュールが遅れていたり、納期に間に合わない可能性があったりする場合は、どうにかして遅れを取り戻さなければなりません。

しかし、納期をずらす事も要件を削る事も出来ない以上、「メンバーの稼働時間を上げる」以外の選択肢が基本的にありません。

その様な状況で、「○○日に有給取らせて下さーい」と言っても、「いいけどお前、その分の遅れはどう取り戻すんだ?」と必ず聞かれます。そして、結局休日出勤をしたり、残業でカバーしたりする事になります。そうなるとあまり有給の意味がありませんね。

 

客先常駐である

エンジニアは基本的に客先企業へ出向いての勤務となります。

そのため、上司だけでなく客先企業の承認も得ないと休暇を取得する事が出来ないのです。プロジェクトが炎上していなければ、1日程度の休暇であれば承認してくれる事が多いですが、2日以上連続の平日休暇となると、客先の承認を得る前にまず上司に却下されてしまいます。

そのため、多くのエンジニアはプロジェクトが一段落したタイミングや、次の案件にアサインされるまでの待機期間にまとめて有給を消化します。

 

Q、入社して最初に任される仕事は?

プロジェクトのフェーズにもよりますが、基本的にはコーディングかテストを任される事になるでしょう。仕事内容について詳しく説明します。

 

コーディング

詳細設計書を元に、画面やバッチ等の機能をコードに落とし込む作業です。

新人は、技術リーダーがコーディング済みの機能と似た機能を担当する事が多いです。そのため、自分でロジックを考えるという作業は少なく、「いかに間違えずに先輩のコードをコピペするか」が肝となります。

 

テスト

コーディング済みの機能が正常に動作する事を確認する作業です。

開発段階によって、単体テスト/結合テスト/総合テストと分類されます。それぞれの違いを説明すると長くなるので、興味のある方は以下のサイトをご覧ください。

 

hnavi.co.jp

 

実際に行う作業としては、

 

1、テスト観点、テスト手順を考える

2、テスト観点、テスト手順をテスト仕様書に記載する

3、テスト仕様書に従ってシステムを動かす

 

システムが正常に動いた場合

4、画面スクショやログをExcelに貼り付け、エビデンスとして保存する

5、テスト仕様書に「合格」と記載する

 

バグを発見した場合

4、故障処理票にバグ内容、再現手順、エビデンスを記載する

5、バグの要因を調査する。

6、調査結果を故障処理票に記載する

 

以上の流れを繰り返します。

「ボタンをクリックする→メッセージが出る」のような単調な作業を延々と繰り返すので結構しんどいですが、バグを見逃して納品後に発覚!なんて事があると激ツメを食らうので、慎重に作業する必要があります。

 

また、「IT企業に入ると、最初の3年はテストをやらされる」といったような話を聞きますが、ずっとテストだけをやってるプロジェクトなどありませんし、頑なに新人にはコーディングさせない!という企業は今時少ないでしょう。

それに、テスト工程はコードや設計書等のドキュメントをじっくり眺めるチャンスでもあるので、テストだからつまらない、スキルが身に付かないというものではないと、個人的には考えています。

 

 Q、どんな人が働いてるの?

勿論企業によると思いますが、自分が見てきた限り、中小SIerのエンジニアには「偏屈」で「慎重」な人が多いです。毎年元公務員、元アパレル店員、元銀行マン、元ホスト(!)等、色々人が入ってきますが、最終的に会社に残るのは以下の特徴を持つ人達でした。

 

・下らないミスを絶対おこさない

・徹底した効率重視。やっておいた方が良い作業でも、優先順位が低いと判断したら絶対にやらない

・人を信用していない。人は必ず間違えるという事実を知り尽くしている

・設計であれ規約であれ、「変更」をしたがらない。変更によるメリットよりも、変更によって生じるデメリットに焦点を当てる

・あまり積極的に人と関わらない

・独身

・実家暮らし

・勉強嫌いだが、押さえるべき知識はしっかり押さえている

・ゲームが好き

・酒が大好き

・ポーカーフェイスで感情の浮き沈みが少ない

・無気力

・媚笑いが無い

 

上記の通り、一見絡みづらい人が多いですが、しばらく一緒に働いてると意外に気さくで良い人だと分かったりします。

 

Q、残業はあるの?

あります。プロジェクトの炎上度合いによりますが、30時間程度はコンスタントにあると覚悟しておいた方が良いでしょう。

 

Q、女性はいる?

他の業種と比べると少ないですが、います。体感で10%程度でしょうか。年々増えている傾向にあります。

 

Q、仕事はきつい?

きついっす(本音)。どうきついのか、何故きついのかについては、別記事で書きたいと思います。

 

終わりに

中小SIerはお世辞にも楽とは言えませんが、経歴問わず実力次第で成り上がれる素晴らしい環境、とも個人的には思っています。

 

日々進歩する技術にキャッチアップする努力も必要ですが、一番大切なのは「報連相」「工数管理」「コミュニケーション能力」といった、社会人として基礎的な能力だと思っています。それらを身に付けるだけで、この業界の中堅層くらいには確実になれるでしょう。

 

学歴がないけど高収入を狙いたい、厳しいと分かっていてもやっぱりITに興味がある、という方は、チャレンジしてみるのもいいんじゃないでしょうか。辞めても、スキルがあれば転職は出来ます。

 

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。